海外生活が教えてくれたこと
クリップミュージック事務局 竹下 陽一さんのインタビューをお届けします。聞き手は三浦 修平です。
帰国子女だそうですが…
そうなんです、高校から日本で生活してます。
普通とは違う経験ができたんじゃないですか?
インドネシアで生まれてマレーシア、タイと東南アジアで過ごしました。「海外で過ごしたのいいね」って言われるこあります。
色々な人種がいる中で特別な経験をしたというか、何かを感じずにはいられない環境にあったように思いますね。
違いは大きいですか?
違いは大きいです。よく「外国と日本の違いは何?」と聞かれます。日本に来て一番最初に感じたことは、日本って日本人しかいないじゃん!ということでした。
日本で衝撃だったことはありますか?
海外では色々な人種や宗教が混在している中で、色々な価値感があります。
日本では、他人と違う価値観が表に出づらいのではと思ったことはありますね。横を見て足並みを揃えて進めばなんとかなると考えている錯覚に陥ってるんじゃないかと生意気にも思ったりしてました。
同世代の友達に対して、一緒に時代を切り開いていく仲間として物足りないく感じてしまうこともありましたね。あくまで、僕の周りを見ていての印象ですけどね。
海外にいたことで日本を再認識したことってありますか。
向こうでは日本のことについて考えることはありませんでしたね。そのとき自分の暮らしているその国その地域の人たちと一緒に生活していこうという仲間意識が強くありましたから。
なので、日本に来てからも、同じ国で暮らしていく日本人同士として、何か協力して成し遂げる、何か一つの事が出来たらいいよねって想い続けられるのも、そういう協力体制、人間関係を海外生活の中で色々学んだからだと思います。
日本のここがいいって言うのはありますか?
日本で再認識したのは言葉の美しさでした。普段使っている何げない言葉の中に日本人の精神が吹き込まれていると思います。
もっと日本語を大切にしなくちゃいけないと、日本に来てから再認識しました。
マレーシアに戻って「日本の良さを伝えてください」と言われたら何を伝えますか?
日本にある精神ですね。「自分に恥じない。」「恥を知れ」って日本に根付いてる文化が凄く好きです。
日本は宗教があって神様に生かされている国でなく、自分自身に恥じない行動を取りなさいみたいな。
それが自分自身の責任感になっていく考え方が好きです。日本人にはそういう侍魂が根付いている事を伝えたいですね。
マレーシアから日本に持ってきたいものってありますか。
日本人は平和ボケしてると言われてるじゃないですか、それは感じることはあります。
というのも、日本はもっともっとチャレンジ出来るフィールドがある時代に突入しているのです。なのに、そうでない若者が沢山いると思います。
チャレンジしたくてもできない国も沢山ある事を日本の若者たちに伝えたいですね。
最後に日本の若者に一言あれば、
同じ世代として、「一緒に未来を切り開いていこうぜ!」という気持ちが強くあるのと同時に、なかなかそうはいかない現状のもどかしさはあります。
少し前に「自民党をぶっ飛ばせ」って言った首相がいましたよね。
あの首相がある時から自助努力をしましょうと言い出しました。あの言葉に対して、日本中から大ブーイングが起きましたよね。年金のことから始まって、「自分で何とかしてください」みたいなニュアンスに捉えた人が多かったんだと思います。
でも僕は逆の発想で、自助努力っていうのは「自分で何とかしてください」ということじゃなくて、「日本でも自分で何とかしていい時代が来たんだ」と考えました。
そういう時代だからこそ、現状の不満に逆らうのではなく受け入れることで切り開いていける時代が来たという事を忘れることなく、クリップミュージックでも自分のやるべきことを成し遂げていきたいと思っています。
ありがとうございました。