カラオケ採点について
カラオケ採点はアルゴリズム
カラオケ採点は、メーカーが人間の感覚により近い採点アルゴリズムを開発しています。
テレビ番組のカラオケバトルなどでよく使われているのは、第一興商のLive DAM「精密採点DX」です。
採点アルゴリズムは機種によって違いますので、同じ曲を歌っても機種によって点数が違います。
カラオケ JOYSOUNDの機種は第一興商の機種に対して比較的高得点が出ると言われています。都市伝説かもしれませんが…。
採点アルゴリズムは、発売したあとでも更新されることがあり、更新されるとこれまで歌っていた曲の点数が変わることもあります。
採点の傾向と対策
一般的には、カラオケの[採点が高い]=[歌も上手い]
と考えられているのですが、現実は違います。理由は、人間の感覚と採点アルゴリズムに差異があるからです。
採点と歌の現実の傾向
①[採点が低]く[歌も下手]
②[採点が高]く[歌が下手]
③[採点が低]く[歌が上手]
④[採点が高]く[歌も上手]
②採点が高くても歌に魅力が無い人、③採点が低くても歌が素敵な人は普通にいます。
④採点が高く歌も上手なのが理想ですよね?でもそれは結構ハードル高い目標です。
あなたはどの傾向なのか?望む傾向は何なのか?歌が上手いという価値観を講師と共有し目標を設定するのが良いでしょう。
85点の曲を90点台にするのは、比較的容易です!
90点の曲を95点台するのは、けっこう大変です。
95点台の曲を100点に近づけるのは、激しく大変、というか相応の努力が必要と思います。
100点を出すおばさん
カラオケ店の店長さんから聞いた話しですが、以前店長をしていた店に「100点おばさん」というあだ名の人がよく来ていて、目の前で100点を出すところを何度も見たことあるそうです。
歌は上手くも何ともなかったそうです。そのおばさんは「100点を出すには、この部屋の、この位置で歌わないと駄目なのよ〜」などと言っていたそうです。
カラオケ採点を上げるコツは、ネットに多数公開されていますが、採点の基準になるのが「ガイドメロディー」であることは間違いないと思います。
採点アップのヒント
▼ガイドメロディー
ガイドメロディー音量を大にして、マイクの音量を低めに設定。ガイドメロディーをよく聞いてガイドメロディーに忠実に歌う。ガイドメロディーがオリジナル曲と微妙に違うこともあります。
しかし機械はガイドメロディーを基準に採点します。
オリジナル曲にそっくり歌っても採点を上げることには直結しないんですね。
▼抑揚
マイクと口の距離で調整。Aメロ10cm、Bメロ5cm、サビでもっともマイクと口を近づける。もちろん声量で抑揚を付けてもいいですが、声量が無ければ有効な方法です。
▼ビブラート
採点画面のビブラート指定のロングトーン部分を重点的にビブラートを入れる。ロングトーンとビブラートは加点が大きいためです。
歌が上手いという価値観
▼芸術的 価値観
[心が揺さぶられる]=[歌が上手い]
▼商業的 価値観
[売れる人]=[歌が上手い]
▼カラオケ的 価値観[ゲーム的]
[採点が高い]=[歌が上手い]
価値観がごちゃ混ぜ?
通常これらの価値観がごちゃ混ぜになって話題になることが多いですが、要素分解すればこういうことなのだと思います。
[心が揺さぶられる]
+
[売れる人]
+
[採点が高い]
などを目指すのは、一般人がオリンピックで金メダルを目指すくらいにハードルが高いことだと思います。
採点が低くても、身の丈に合った自然体で心が揺さぶられる歌も素敵だと思います。
欧米と日本の意識
欧米人と仕事をすると、適当で、いい感じで、素敵な音楽の表現力に圧倒されます。
日本人は、ピッチやリズムを重箱の隅をつつくように仕上げることが多く、これは、日本人の民族性と音楽教育の影響も少なくないと受け止めています。
絵画の鑑賞目線と音楽の意識
研究機関が絵画の鑑賞目線を分析したところ、欧米人は絵画の芸術的に高い部分に目線が集中し、日本人は絵画のディテール部分に目線が集中することが判明しています。
これは、音楽の芸術的に高い部分に自然に意識が行く欧米人と、ピッチやリズムといった音楽のディテール部分に自然に意識が行く日本人の傾向と一致しますよね。
Perfumeが世界に通用している!?
数年前まで、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅが世界で評価されていることが不思議でした。
今では、彼女たちのピッチやリズムそしてダンスを重箱の隅をつつくように追求した音楽とステージパフォーマンスは、逆に欧米人にはAmazingなんだ!と理解しました。
音楽の多様性
音楽に取り組んでいる人は、それぞれ音楽の好き嫌いや苦手意識はあると思います。
しかし意味の無い音楽は存在しないのだと考えるべきで、そうすることで音楽の可能性を広げることにも繋がると思います。
一方で、逆に絞り込むことで専門性を深めて活躍できるとも考えられます。
音楽に対する包容力
音楽の幅が広い人は、同じメロディーを、演歌風に歌ったり、ロック風に歌ったり、ジャズ風に歌ったり出来ると思います。
その違いは、それぞれのジャンルがもっているそれっぽい雰囲気です。
レコーディングでもそれっぽく録音するように心がけるのですが、この「それっぽい雰囲気の解釈」の引き出しがどのくらいあるのかが音楽に対する包容力になるのだと感じています。
まとめ
結局のところ音楽はその人の価値観なり人生観を共有できる、または許容できる人たちがファンになると考えられます。
一方で、他人の価値観なり人生観の包容力も大切だと思います。
何も考えずにやっても上手くいくわけもなく、全ての人が上手くいくわけでないのも現実です。
ますます多様化する音楽と向き合い、自問自答したり自分で課題を考え自分で乗り越える必要があると思います。
根っこはコンセプト!
クリップミュージックのレッスンイメージは、音楽レッスンを通して人と知り合い、レッスンを通して関心を持てる共通の価値観をコミュニケーションしてゆくことです。
講師に期待するものは、音楽の教養とコミュニケーション能力です。
①音楽の教養
②コミュニケーション能力
これらの根っこにあるのが、クリップミュージックのコンセプトで、講師の価値観がビジョンです。
音楽の仕事を続けて良かった
私が、電子技術者から音響と音楽の仕事に転職したのが25才の時ですから、かれこれ30年が立ちます。
振り返れば世の中もすいぶんと変わってきました。しかし音響の基礎や音楽の理論は何も変わっていないのです。
これは昔学んだことが無駄にならないということになります。過去の経験が無駄にならずに良かったと思います。
音楽に感謝します
ピタゴラスが音に協和の法則を発見したのが約2500年前です。4オクターブのピアノが出来たのが535年前です。
これまで人々は音に対する神秘を解明しようと努力してきました。音の発見や発明の歴史は同時に、楽器や音響技術の発達の歴史でもあります。
音楽と向き合う時、私達は先人達の努力と研究の長い歴史の延長上にいることを意識すると、また違った音楽に対する解釈や答えが見えてくると思います。