最初に聴いた音楽は、大事マンブラザーズバンドの「それが大事」

クリップミュージック事務局の竹下 陽一さんのインタビューをお届けします。聞き手は東 春平です。

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音楽はいつからやってるの?

音楽を始めたのは大学からです。音楽に興味を持ち始めたのは小学生の頃でしたね。

最初に聞いた音楽って何?

最初に聴いた音楽は、大事マンブラザーズバンドの「それが大事」です。僕はインドネシアで生まれ、マレーシア、タイと海外に住んでいました。

その頃J-POPを聴く機会がなくて、耳にするJ-POPは父親が聴いていた谷村新司さん、前川清さんなどの歌謡曲や演歌ばかりでした。

最初の曲はどうやって聞いたの?

最初の曲は、たまたま父親の会社に勤めていた若い人が、日本ではこんな曲が流行ってると父親に紹介したのがきっかけでした。

それはCD?

カセットですね、父親勤めていた会社の日本支社の若い子が出張で来た時にお土産でカセットを持ってくるんです。

その時に日本ではやっていた曲をカセットのA面B面録音してあって、それを父親が車の中で聴いてるのを僕も隣で聴いていました。

そして「それが大事」という曲に感銘を受けたんです。歌謡曲と演歌しか馴染みがなかったので、こんなにポップで前向きな曲が日本にあるんだなと思いました。

そのあとの音楽のエピソードってある?

さらに音楽に興味を持ったきっかけは姉の影響でした。姉が大きくなってくると友達の間でCDやカセットの貸し借りをしているのを僕が隣で聴いていたことだと思います。

普段はテレビで流れている外国の曲ばかり聞いていたのですが、姉の横でたまに聴く日本の曲はもの凄く親しみやすかったです。それまでは、歌詞というものを意識したことはなかったんですけど、日本語の歌詞に共感できることがありました。

素敵なメロディにメッセージが乗っているということを少し分かってきた時期に日本に帰ることになりました。それから沢山の日本の曲とリアルタイムで触れ合った時に、「あっ、こんな風に日本の音楽を頑張っている人達って、音だけじゃなくて言葉にもこだわってるんだ」ということに興味を持ちました。

日本に帰ってきて印象に残ってる曲は?

学生の時はパンクロックが流行った時代なんです。僕よりも少し上の世代の人たちがブルーハーツに熱狂してたように、それと似たような流れが僕の高校時代もありました。いわゆるバンドブームです。かなり感銘を受けて盛り上がっていましたね。僕自身も周りも。

例えばどんなの?

HI-STANDARD、GOING STEADYとか、メジャーではなくてインディーズで頑張ってるバンドがもの凄く活躍した時代なんです。

それをどうやって聴いてたの?

タワーレコードで聴いていました。休日はもっぱらタワーレコードで過ごしてました。そこで毎週毎週、店の中で朝から晩までずっと店中の試聴機を漁ってました。笑

そのように音楽を聴いてた原動力って何?

高校が神奈川の方で、僕が住んでるのは東京の埼玉寄りだったんです。通学に2時間程かかる家から遠い学校に通っていたので、休日に友達と会えないんです。なので休日を過ごす時に音楽が大きなウェイトを占めてましたね。

あくまでリスナー?プレイヤーは?

はい、リスナーでしたね。プレイヤーとしての活動はたまにいくカラオケだけでした。笑

その当時の音楽って言葉で言うと何?

そうですね、簡単に言ってしまえば、自分の感情がアウトプットできるツールであったり、自分の内側と向き合うツールです。

例えば自分で感情をアウトプットしたい時に、言葉も分からなかったり、どう表現したらいいか分からないときに、そこにピッタリな音楽を探ってみるんです。

自分のアウトプットしたいものを音楽を聴くことによって、音楽に乗せることによってアウトプットしている感覚になっていたと思います。

なるほど、聴くと同時に出していたんですね。

そうですね、へこんだ時には暗い曲を聴いたり、盛り上がりたい時には、、アップテンポの曲を聴いたりして、インプットしながらアウトプットする材料だったように思います。

日本で最初に買ったCDは?

それがまさに大事マンブラザーズの「それが大事」でした。中古CD屋に行って細長いシングルCDを買いました。

音楽を好きになったきっかけの曲なんで、たまにその曲を聴くと原点に立ち返れるんですよね、こういう気持ちで音楽と触れ合ってたんだなって。

時がたって大人になっての音楽とは?

今と昔って、音楽の関わり方って大きく変わってきたなと思うことは世間と音楽との関わり方ではないでしょうか。例えば90年代の僕が凄く音楽にのめり込んでいた時代は、みんなが音楽を楽しむ時間をもつ余裕があったと思います。

でも今は、例えばテレビを見ながら、電話をしながら、勉強しながら、何かをしながら音楽を取り入れるということが主流で、“音楽をゆっくり聴く”というのはだいぶ薄らいでいるのではないでしょうか。

僕にとっての音楽とは、その時に心の豊かさを養う時間であったり、かつて僕がインプットとアウトプットを繰り返していたように自分と向き合う時間を持てる貴重な文化であると考えています。

そういう意味では、音楽はリスナーにとっても自己表現に繋がってるのかなって思います。

どの音楽を聴くかが、自己表現になるって事ですね。音楽の趣味が合う人ってこれまでどれぐらいいた?自分とぴったり合う人っていた?

僕は逆に、どんな人とも音楽で共通の趣味を持ちたいから様々な音楽をむさぼったんです。自分が大好きな音楽という文化の中で人と繋がりを持ちたいから、相手が聴く曲で知らないのがあれば、真剣に深堀りしました。

沢山の曲を聴いてみることで音楽で共有できる器を持ちたいなと思ってむさぼったんです。“自分とぴったり”というよりも、“相手にとってぴったりな自分”になりたいと思っていたんです。

どんな音楽でも「それそれ」と言えるようになったんだね。これから、音楽とどのように関わってゆきたい?夢とか希望とか聞かせてください。

僕は、音楽が本物の文化だと思えるのは、“流行り”ではなくて“歴史”を創造できることにあると思うんです。

世界で一番歌われている曲って「ハッピーバースデー」なんですよね。流行りやトレンドではなく、人の誕生日を祝ってあげたいという今も昔も変わらない気持ちが「ハッピバースデー」という曲を人の歴史と共に歩ませてくれたのではないでしょうか。

個人でも同じことで、自分の人生の歴史と一緒に歩んできた音楽が何曲かあると思います。もし、その曲が身の回りの人達と、もっと言えば全国共通で「この時にはこの曲が聞きたいね」というようなものを共有できたら最高と思います。

自分の人生の中でそういう曲が一曲でも見つかる音楽との出会いがあることを皆様にあることを願っていますし、僕たちがその出会いのお手伝いができることが僕にとっての仕事の喜びですね。

今日はありがとうございました。

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