上手く歌えた後の疲労

発声器官の疲労・・これは、幾ら「生理学的に正しく」歌っていても、どうしても起ってしまうものです。(ちなみに、「正しい歌い方」というものが存在するとすれば、それは、「生理学的に正しい」か「正しくないか」の差でしかないでしょう。つまり、人間の身体構造にとって、適切であるかどうか・・ということです。)

歌い過ぎ

発声器官の構造に適したコントロールをして行くと、まあ・・要するに声は出やすくなるのです。ところが、時に歌い過ぎてしまう・・というのか、限界を簡単に超えてしまえる・・・という現象が起ります。

例えば、自分のリミット的な高音も、なんでこんなのが今まで出なかったんだろう・・という位、簡単に、何の苦も無く出ることがあるのです。それはそれで、大変に素晴らしい充実したひととき(笑)なわけですが、

問題はその後

問題はその後なんです(汗)。

翌日・・・疲労がかなり来ます。それは、徹底的に発声器官を「正しく動かした疲労」なので、実際には「良い疲労」なのですが、歌っている方には大問題。

声帯内筋に上手くテンションが入らず、通常の音域でも声が出辛かったり、裏返りやすくなったりします。

首回りや顎の下などに、筋肉痛が起きることもあります。これは、喉頭懸垂筋をかなり使えた証拠ですので、喉声的に力が入っていたからそうなった・・わけではありません。(顎の下の筋肉痛は、プレーシングで喉が極限まで引き下げられた為に生じます。)

考えてはいけないこと

こういった際に、

「昨日あれだけ上手く歌えたから今日はもっと行けるだろう」・・・とか、「昨日あれだけ出来たんだから、今日も同じように出来なくてはいけない・・・」等と絶対に考えてはいけないのです。

そう思ってしまうと、ついつい無理・無茶をしてしまう。良くあるのが、テンションが上手く入らない声帯を何とかしようとし、顎・舌・口が異様に力むようになってしまうのです。(特に舌を変に使う・・事が多いかなと思います。これに呼気圧迫が介入すると、もう最悪です。異様な位の歌い辛さを感じると思います。)

疲労したら

ぶっちゃけ、「良い意味で激しく疲労した」際は、しばらくほっぽらかしておけば笑、まあ2~3日もすればコンディションは大体は戻ってくるでしょう。

疲労がピークの状態でも、調整を行うと6~7割程度は戻せるかな・・・とも思います。(完全には納得できないが、ある程度戻るので、安心はできる・・感じですね。)

また、無理・無茶をやってしまい、「生理学的に正しく」歌えなくなってしまった、歌の制御感覚が「非生理学的」になってしまった・・場合でも、時に時間がちょっとかかってしまう場合もありますが、戻していく事は可能ですので、皆さん、安心して限界を超えましょう。。。。アレ(汗)???

(ま・・歌って、ある意味ではスポーツ的というのか・・どこまで行けるかチャレンジ・・(笑)みたいな所ってあると思うし、それを追及するのが面白い面もありますね。)

この記事を書いた人

高野 卓也ボイストレーナー
大宮の教室を担当しています。