母音が苦手な日本人

日本語の特徴

日本語の特徴は長母音が少ないことです。特に、普段話をしていて「アー、イー、ウー、エー、オー」という長母音を発声する機会が少ない。長母音を明確に発音する言葉が少ないからです。多いのは「カキクケコ」「サシスセソ」「タチツテト」「ナニヌネノ」「ハヒフヘホ」「マミムメモ」「ラルルレロ」などの子音を含んだ言葉です。
つまり、日本語の会話は口先で話すことが多いということです。

日本人のボイストレーニングはまず長母音から

日本人でも、赤ちゃんのときは、アーとか、ウーとか、エーとか、長母音ばかりを発声しています。赤ちゃんはまだ口が出来上がっていないことと、歯もないので、喉の奥で発声するしかないので、母音ばかりになります。
生まれたときはもっていたのに、日本の生活習慣の中で成長するにしたがって失ってしまうのです。
それで、日本人の場合は母音の発声をもう一度基本から教えなくてはならなくなります。
音楽の授業や合唱の練習時に最初に長母音のアイウエオを使ってドレミファソラシドと歌うのはそのためです。

「イ」と「エ」は特に苦手

母音の発音の中でも、日本人は特に「イ」と「エ」が苦手です。なぜかというと、それらは口を横に開きます。上顎と下顎に力を入れて口を横に開かねば発音できないのですが、これがダメなのです。腹式呼吸による発声でないと、口と顎、喉などを必要以上に力ませただけの、共鳴しない声になります。肩や顎などの力を抜いてリラックスしないと、よく響く豊かな声にはなりません。また、力んだ声では音程も不確かになってしまいます。
演劇の学生が最初に「ア、エ、イ、オ、ウ」と鏡をみて母音の発音の練習をさせられるのは、そういう理由があるからです。

母音の練習法

母音をきれいに発声するには開いた口の形が大事です。
それでは自宅でできる簡単がボインの練習法を紹介します。
下記のことを実践してみましょう。

アの口の形で「アー」

アの口の形で「オー」

オの口の形で「ウー」


アの口の形で「アー」

アの口の形で「エー」

エの口の形で「イー」

大切なことは、口も唇も動かさず、舌のわずかな動きで発声をすることです。プロダクションでのボイストレーニングでも母音の発声の訓練は徹底的にされています。
小学校1年生の国語に出てくる“ア・イ・ウ・エ・オ”の口の開き方は日本語を話すときには良いのですが、発声で使うア・イ・ウ・エ・オには不向きというわけです。

とっておきの練習法

最後に、とっておきの練習法を紹介します。
まず自分の好きな言葉、例えば「おはよー」だとすると、それを地声で「おはよー」と言いながら、あくびの形に開いて「よー、よー、よー」と声に出していきます。
そうすると、地声の響きが変わってきて、喉から口の奥、顔、頭の内側まで響くような感じになります。この感じがわかるようになってこれば、転換点で声が変に揺れたり音程がずれたりすることは、すぐに改善するでしょう。

【参考文献】 「誰でも2オクターブ出せるヴォイストレーニング」 野口千代子 著

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この記事を書いた人

竹下 陽一経営企画 マーケティング / コーディネーター
インドネシア出身の帰国子女。マネージャーとして奮闘中♪