総合ボイストレーナー
総合ボイストレーナーとは
単一の専門家では対応しきれない、様々な音楽の課題に対応する総合力のあるボイストレーナーのことです。
正解の無いものに取り組む
音楽には、『これ』と言った正解が無いのが実情で、何でもアリと言っても過言ではない分野です。
本質は同じでも多様な表現や情報に溢れています。
そこで表現を分かりやすい日常の例えで、アドバイスをするとイメージ伝わりやすく、理解と共感を得やすくなります。(自転車に乗る、マラソンなど…)
音痴を直すと自転車に乗る例
自転車に乗る方法を説明して理解しても直ぐに自転車に乗れるようにはなりませんよね?
自転車を後から支えてもらいながら練習を繰り返しているうちに、ある日突然乗れるようになります。
音痴を直す方法も同じように練習を繰り返しているうちに、ある日突然上手く出来るようになります。
レッスンの継続の意義を説く
練習を積んでフルマラソンを走れるようになっても、練習を止めてしまえば、いずれフルマラソンを走れなくなります。
ボイストレーニングを積んで、上手くなっても、継続しなければ下手になってしまうこともあります。
子供の頃乗れていた一輪車も、継続していなければ大人になってパッと乗るのは厳しいでしょう。
レッスンの5ステップ
良い所と改善できる所を分かりやすく伝え、改善する気持ちがあればレッスンを継続していく必要があることを説明します。
課題は「講師に与えて欲しい」という人もいるでしょう。本人が改善する気持ちのないものはレッスンしても改善に時間がかかります。
課題は受講者の内心にある!?
- 困っていることは?
- 難しいと思っていることは?
- もっとこうなったら良いと思っていることは?
- そもそもレッスンをする目的とは?
受講者本人の目的意識が曖昧だったり、言っている事と内心が違っていたりする場合もあります。
この時、講師が受講者から課題を引き出すひらめき・先読み・直感は重要です。
レッスンとは
「知っていること」と「やっていること」は違います。知っているのに出来ないことをレッスンを通して「常にできる」ようにすることになるわけです。
[知っていること]≠[やっていること]
①知る
②分かる
③やってみる
④時々できる
⑤常にできる
ヒントを知りたい?
「1週間で○○を身につける」
「3日で仕事がデキるようになる」
こんなタイトルを本や、Webサイトで目にすることがありませんか?しかし、実際に直ぐ身につく学びなど、よほど簡単なことは別として存在しません。キャッチコピーでノウハウを売るビジネスなんですね。
私は、ノウハウに興味がありますので本を購入したりWebサイトを読んだりしますが、学びのヒントにはなっても、それが出来るようにはなりません。
「学びというものはそれなりに時間がかかる」…と思います。
レッスンはスタート地点
レッスンによって、[知る]⇒[分かる]の壁を登ることで、スタート地点に立つことができたのです。
レッスンを続けている人は違う
ここから必要なのは、レッスンを継続して壁を登ることです。
[やってみる]⇒[時々できる]⇒[常にできる]
やってみて、時々できる壁は、説明で分かる壁とは違います。レッスンを続けているうちにある日突然出来るようになるのです。
常にできるようになっても、レッスンを継続していなければ元に戻ってしまうこともあります。
長くレッスンを続けている人は確実に変わります。素敵になっていきます。
人間は、心で感じて、脳でコントロールされています。そして、人間の心には、揺らぎがあります。
講師が同じようにレッスンしても楽しい時も、物足りない時もあります。
楽しいレッスンの工夫
▼テーマとコーナーでメリハリ
漠然とレッスンをしているとマンネリになります。発声練習や歌唱指導の内容をテーマを変えてコーナーで区切り変化を付けのは有効な方法です。
▼ABC課題曲レッスン
読書好きの人は複数の本を並行で読み進めます。これと同じように複数の曲を並行にレッスンします。難易度の違う曲を同時にレッスンすると効率良くレパートリーを増やすことができます。
A:難易度の低い曲(効率良くマスター)1ヶ月サイクル
B:難易度中の曲(ちょっと背伸び)2ヶ月サイクル
C:難易度の高い曲(時間を掛ける)5ヶ月サイクル
▼与えられた条件の中で頑張る
レッスンでは出来ても、人前で出来ない場合があります。講師が全部お膳立てしても上手くいかないものです。
受講者の与えられた条件の中で頑張ったことが結果になるのです。
音楽スキルの高い講師
講師を品定めする受講者もいます。このため講師をあたかも立派な人物であると演出したり、デビュー出来るなど、売り込みたい気持ちが先走っているような教室もあります。
これも集客方法の一つとしてあります。
▼アーティスト育成講師
レーベルやプロダクションから依頼を受け、アーティスト育成のためにボイストレーニングをしている講師は、高い音楽スキルを持っているのに一般受講者が定着しにくい傾向があります。
おそらく、レッスンの姿勢が一般受講者のニーズに合っていないのかも知れません。
一般受講者はプロを目指しているわけではないですからね。
講師スキルの高い講師
音楽スキルが低くても、講師スキルが高ければ上手くいきます。
受講者の英語の成績アップのために、教師の英語スキルアップに力を入れている学校があります。
ところが、英語が得意でない教師の学校の成績が、全国平均より高いというデータがあります。
これは、[教師の英語スキルアップ]⇒[受講者の成績アップ]ではなく[教え方の工夫]⇒[受講者の成績アップ]を実践した結果なのだとか…。
受講者を上手くさせるという観点からは、講師スキルが高い方が結果に繋がると言えます。
[音楽スキル]≠[講師スキル]
学びの3ポイント
音痴を直して普通にカラオケを楽しめるようになりたい、カラオケの苦手意識を克服したい。
そう考えてレッスンを受講されている方は多いです。
どんな学びでも同じように、受講者の気持ち次第で上達のスピードも違ってきます。学びの3ポイントを押さえ、気持ちのギアを上げてレッスンを有意義なものにしてください。
- テクニックを学ぶ
音程、リズム、ファルセット、ビブラートなど…。 - メンタルを学ぶ
音楽に向き合う心構え、人前で演じるメンタルなど。 - フィジカルを学ぶ
呼吸法やインナーマッスルのトレーニング。
まとめ
一般的にレッスンは、ボーカル、ピアノ、ギター、作詞、作曲など、科目で縦割りなっています。これを担当する講師は単一の専門家となるわけですよね。
近年の音楽講師は、幅広い音楽スキルを持っています。単一の専門家では対応しきれない課題に対して幅広い音楽スキルを使って対応したり、最適なアドバイスをします。
このような講師を「総合ボイストレーナー」と呼んでいます。
普通にカラオケを上手くなりたい、普通にカラオケを楽しめるようになりたい、といった方々が気軽に楽しくレッスンされています。
そして、ボイストレーニングとギターレッスンなど、科目をまたいでレッスンすることを「ハイブリットレッスン」と言っています。
クリップミュージックの音楽教室はこのような価値観を講師と共有しながら、教室会場地域の皆さまの役に立つことを考えています。