リップロールの間違い
ボイトレで必ず取り上げられるメニューの一つにリップロールがあります。
唇を震わせて声を出し音程をつけたりします。
しかしこのリップロール、実際の会話や歌を歌うのに用いられることは絶對にありません。
それではこれを行う目的とは?
「歌を歌う前の喉をリラックスさせる準備運動」と言われています。
はたしてそのような効果が本当にあるのかを検証していきたいと思います。
本来の自然な体の仕組み
人間が口を閉じた状態で息を吐いたり声を出したりするとき、体は以下のようにオートマチックに働きます。
・口蓋帆(軟口蓋の奥のノドチンコのあるところ)の下落。
口の奥の天井の口蓋帆が自然に下に下がります。
・これにより鼻腔への息(声)の通路が解放され喉から上がってきた息は鼻腔へと導かれます。
ハミングにおいて最も自然な状態です。
リップロール発声による矛盾と詰まり
しかしリップロールで声を出そうとするとこの自然のシステムが破壊されます。
・不自然なルート変更
下がっている口蓋帆を無理に引き上げ鼻への息の通路を遮断し声を閉じた唇へ無理やり力ずくで押し出さなければなりません。
喉の閉鎖(詰まった声)
唇を震わせるために喉に圧力がかかり喉の奥が締まり喉仏が引き上げられます。
人体の基本構造に対する矛盾
口を閉じれば息は鼻に送られるのが自然であるという人体の本質的ルールにリープロールは反していることになります。
結論
リップロールは喉じめ発声への準備運動に過ぎない。
自然の喉の状態をわざわざ声を詰まらせ喉を圧迫する状態にしてしまうことになります。
いかに喉仏が下がったよい発声状態であってもこれをすると喉仏は必ずや上がります。
喉じめ発声に変わった証拠です。
まとめ
唇を震わせらことで喉がリラックスできるというボイトレの通説は口蓋帆による気道の切り替えや喉への連動作用を無視した誤解によるものです。
「口を閉じたら息は自然に鼻に送られる」
というのが人体における本質的なルールだからです。
講師|杉田 輝夫(すぎた てるお)

丁寧に正しいボイストレーニング法をご指導いたします。シャンソン・ジャズ・演歌など幅広いジャンルに対応します。
プロフィール
武蔵野音楽大学 声楽科卒業。オペラコンサート、サロンコンサート等多数出演。音大受験生、劇団オーディション志願者等に声楽のボイストレーニング指導を行う。
レッスン科目
- ボイストレーニング
- カラオケレッスン
- 発声練習
- 声楽レッスン
- 音大受験声楽レッスン
- 話し方の発声法
- 猫背,ストレートネックなどの姿勢改善法
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