ボイストレーニング 機能崩壊ということ

はい、第二回にして「機能崩壊」という(笑)壮絶な世界が展開するわけですが、この、機能崩壊という概念を発声、あるいは歌唱でご存じの方はあまりいらっしゃらないのでは・・・?と思います。

簡単に言うと、「今まで、ある程度(あるいはかなり)上手く歌えていたのに、なぜか知らないが、ある日突然マトモに出なくなりました。。。。。」

という、歌い手にとっては最悪の状態なんです。

事例

私が過去に見て来たり、自分で経験したものでいいますと、

  1. 奇跡的にあり得ない位(笑)上手く歌えた後
  2. 自分の限界高音を楽に超えて、調子こいて(笑)歌い過ぎた後
  3. 何らかの強いストレスを受けてしまった後
  4. 風邪をひいた後などで、無理・無茶をしてしまった後

・・・といったような時に、恐怖の「機能崩壊」が起こる事があるんですね。。。。

1と2のケース

発声器官の極度の疲労・・・かなり良い使い方をしたのだけど、その分、激しく疲労してしまった・・・・という事です。ある意味では、良い疲労・・とも言えるかと思いますが、

「一度に歌いすぎるな。しかし、たびたび歌え。」

という、過去の優れた歌手からのアドバイスがあるのです。

ありがとう。参考にするよ。

・・・でもね、行けるときは行きたくなっちゃうものなのよ。。。(笑)
まあ・・・腹八分目・・・という事なんだと思います。歌においても。

3のケース

ピッチが落ちますね。物凄くフラットする。そして、声から生気のようなものが消えていく。

声帯自体の神経支配・・・自然な活力のようなもの・・・が消え去る。非常にボイス・トレーナーにとって難しい領域ですが、私独自の方法論で、ある程度「声自体」は戻せます。

後は自分次第です。

つまり、構造的な発声器官の状態も大きいのですが、精神的な状態・気分・ノリ・・というものが、歌にはより重要なのです。

4のケース

結構多くの方が陥りやすいのかも・・・という気がしますが、
風邪の後(風邪真っ最中の時に、歌おうとする猛者???はあまりいないでしょうし。。。)等でコンディションが良くない時に、おかしいおかしい・・・で、無理・無茶をする。

これが非常にヤバいのです。

こういう時って、人間はついつい無理に声を出そうとする=専門的に言うと、声門閉鎖出来ない声帯を無理やり閉じようとし、声帯に過剰な力を入れてしまうのです。要するに、異様に力むんです。

そうすることで、声自体はなんとか出ます。その代り、ガチガチに力み過ぎた、所謂喉声に近い状態になってしまうのです。人は無意識でそれをやります。(無理にでも声を出したい・・という本能があるのかもですね。)

下手すると、力み過ぎた歌い方・感覚が、自分の歌い方・・・になってしまう可能性がある。風邪の後でも、これで治ったんだから、これこそが正しい出し方、これこそが自分のスタイルなんだぜ!べいべ~みたいな(笑)。

真に残念ながら、それは大間違いです。

まとめ

上記1〜4全てのケースに共通する根本原因が、声帯自体(声帯内筋)の、異様なる疲労・神経支配低下なのです。これを改善することで、基礎練習を積んだ方であれば、比較的短時間で戻すことも、場合により可能です。

機能崩壊というのは、恐れるべきものなのですが、残念なことに、時に起こってしまうものなのです。まあ、それを恐れていては、歌は歌えませんね。

この記事を書いた人

高野 卓也ボイストレーナー
大宮の教室を担当しています。