ボイストレーニング 喉声の構造
気をつけようと思っても、どうにもこうにも喉声っぽくなってしまう・・という事が、人間良くあると思います。
一体全体、何がどうなると喉声になってしまうのか・・その時、発声器官では何が起こっているのか・・
簡単に(難解に??汗)まとめてみたいと思います。
喉声の原因
誰しも自分の限界高音域では喉声になりやすい・・わけですが、根本的な喉声の原因というのは、「自分の限界高音時に、声帯を十分に伸展させた状態で閉鎖させることが出来ない・難しい」・・という事になるのです。
声帯がきちんと閉じなければ、上手く音にならない(声が上手く出ない)ので、人間は無意識で声帯を閉じようとしてしまいます。
その際に、実は声帯が伸展していると都合が悪い(笑)ので、プレースなどは行わず(喉頭懸垂筋を作動させず)、舌で喉を引き上げ、口や顎などに異様な力みを生じさせることによって、反射性的に声帯に過剰なテンションを与え、声門を閉じようとする。
そうすると、声帯のごく一部のエリアのみが辛うじて閉鎖するようにはなり、音が出るといえば・・出ます(笑)。
しかし、その音は非常に苦しげで、ゆとり感や響きのようなものは一切無く、ピッチはフラット、音量も相対的に小さい。
ただ、非常に苦しい努力の結果、それが出るようになった・・・という、一種の成功体験というのか、達成感があるわけでして、そのせいで、これが自分の歌い方・個性・スタイル・・と誤解してしまうんです。
私にもそういう時期があったので、良くわかるのです(笑)。
まあ、そういった喉声であっても、時に音としては面白かったり(酷い事のほうが多いけど)、他の人にはなかなか出せない音域だったりすると、周りの評価というものは得られます。
それで、これでいいのだ・・・的にやり続けてしまうと、もともと無理無茶な事をやっていますので、遂には声帯ポリープできちゃったとか、そういうことに繋がるわけです。
というわけで、喉声を防止・排除するにはどうしたらよいか?というと、
喉声を防止するには
「限界高音時に、声帯が十分に伸展した状態で、きちんと閉じれば良い」・・のです。
それには、声帯内筋(声帯内部の筋繊維)の神経支配を徹底的に高めていく必要があります。
「声門の完全閉鎖」なんて言い方をしますが、実はこれが通常の楽な音域でも難しい・・というか、コンディション次第で上手く行かなかったりするものなのです。