歌うとき息は、鼻から吸う?口から吸う?

歌うとき息は、鼻から吸う?口から吸う?の

よくある質問で、歌っているとき、自分は口で息を吸っていると思うが、ボイストレーナーから「鼻から吸うように」言われた。歌手を見ると口で吸っているように思えるが、たぶん自分が間違っているんでしょうね?

このような疑問に関する解説です。

歌うとき息は、口と鼻のどちらから吸うのか?

歌うときの息を考える前に、そもそも普段の息はどうしているのか考をえてみます。

普段の呼吸を考えてみる

読書をしているとき等、安静時は通常口を閉じたまま呼吸をしています。この時は鼻呼吸をしています

放心状態でポカーンと口を開けたままでいることもあります。この時は口呼吸をしています

簡単に言えば、

  • 口を閉じていれば「鼻呼吸」
  • 口を開けていれば「口呼吸」

と考えてよいと思います。さらに詳しく説明するために、口の中の名称を使い仕組みを解説してゆきます。

鼻呼吸、口呼吸のメカニズム

口の中の部分の名称です。日常的な言葉ではないのですが、呼吸の仕組みを説明するために必要な言葉です。

口蓋(こうがい)
うわあご

軟口蓋(なんこうがい)
口蓋の後部の柔らかい部分

口蓋帆(こうがいはん)
軟口蓋のさらに後部、上下する部分

口蓋垂(こうがいすい)
口蓋帆中央から垂 れた部分(のどちんこ)

口を閉じているとき

口を閉じている時、口蓋帆、口蓋垂は下がっており、肺からの空気の通路は鼻へと通じています。

口を開けているとき

口を開けている時は口蓋帆、口蓋垂は上がり、息の通路は口へと通じます。

食べ物、飲み物が鼻の方へ行かないようにしているのも口蓋帆によってなされています。

発声時の呼吸を考える

口を閉じ、鼻から息を吸って、アーと声を出して見て下さい。口の奥が詰まった感じて、ガリガリという声になりませんか?

これは口蓋帆、口蓋垂が下がっているためです。吸気から発声の流れでそうなります。

通常母音の発声時は口蓋帆は上がっています。これが口を開いて、アーと声を出している状態です。

声を出す時の流れ

声を出そうとする時「瞬間的に口を開け、口蓋帆が上がり反射的にそこから息が吸われ、口蓋帆が上がったまま発声される」これが声を出す時の流れです。

したがって発声時は、息は基本的には、口から吸い、口から吐いています。

ちなみに、フランス語の鼻母音(びぼいん)は、呼気は口蓋帆の調整で鼻と口、両方へ振り分けられます。

また鼻音(びおん)例えば「ん」の場合は、吸気は口から、呼気は鼻からになります。発声時はメカニズム上、口呼吸をするようになっているのです。

いや、わたしは口を開けて鼻から吸っていると言うかたも、鼻から吸っているつもりで実際には口から吸っているのです。

まとめ

鼻から吸った方が良いか、口からが良いかの問題ではなく「どちらの呼吸になっているか」の認識の違いということになります。

ボイストレーナーから「鼻から吸うように」と言われたら、特に意識せず、楽な姿勢で自然にまかせれ ば、正しい呼吸ができるということです。

この記事は、クリップミュージック杉田講師のお話をまとめました。

クリップミュージック 杉田 輝夫講師

クリップミュージック 杉田 輝夫講師

この記事を書いた人

東 春平代表取締役 / 音響エンジニア
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